首相、改憲論議急がず 改造内閣発足 

 第三次安倍第三次改造内閣は三日午後、皇居での認証式を経て発足した。首相は官邸で記者会見し、自身が掲げた二〇二〇年に九条改憲を施行する目標について「スケジュールありきではない」と語った。今後の改憲論議自民党主導で進めるよう求めた。内閣支持率の急落を受け、改憲論議を急ぐよう党や国会に迫る姿勢を修正した。自民党高村正彦副総裁ら幹部も慎重に改憲論議を進める考えを相次いで表明した。

 首相は会見で、党に改憲論議を促す発言を続けてきたことに関し「憲法施行七十年の節目で、憲法はどうあるべきか議論を深めていく必要があるとの考えから一石を投じた」と説明。その上で、秋の臨時国会自民党改憲原案を提出し、二〇年施行を目指すとした目標には必ずしもこだわらない考えを示した。

 さらに「改憲は国会が発議するので、国会で議論していく。党主導で進めてほしい。これからは党で議論し、議論が深まることを期待している」と述べた。改造内閣の最重要課題は経済再生だとも強調した。

 これに先立つ自民党役員会では、改憲の党内議論の中心的役割を担う高村氏が首相に「これからは党にお任せいただき、内閣は経済第一でやっていただきたい」と求めた。首相は「当然だ」と応じた。

 高村氏は記者会見で、秋の臨時国会への改憲原案提出に関し「一応目標としては出せればいいが、党内や各党の考え、国民全体の雰囲気をみながらやる。目標は絶対ではない」と強調した。二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長も同調した。

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 自民党萩生田光一幹事長代行は三日夜、安倍首相が憲法改正を巡って日程ありきではないとの考えを示したことに関し、秋の臨時国会への党改憲案提示方針を軌道修正したとの認識を示した。これによって秋の提示は先送りされる可能性が強まった。

◆信頼回復へ安定布陣

 安倍晋三首相は三日発足の第三次安倍第三次改造内閣で、総務相野田聖子自民党総務会長、外相に河野太郎行政改革担当相を起用した。閣僚経験者を多数配置して安定感を前面に出した。同日夜の記者会見では、経済最優先で政権を運営し、国民の信頼回復を図る考えを表明した。

 首相は会見の冒頭、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題に触れ「国民から大きな不信を招いた。深く反省し、おわび申し上げたい」と陳謝した。

 首相は日報隠蔽問題で混乱した防衛省自衛隊を束ねる防衛相に小野寺五典元防衛相、「共謀罪」法を所管する法相には上川陽子元法相をそれぞれ再起用。加計問題に携わる文部科学相林芳正元農相を充てた。

 「身内優遇」批判に配慮し、首相と距離を置く野田氏、政権に異を唱えることもある河野氏を入閣させた。

 経済政策を担う経済再生担当相には茂木敏充政調会長を起用。新設した「人づくり革命」担当相を兼務させ、経済事情にかかわらず教育が受けられる社会の実現に向けた構想づくりに着手する考えを示した。